エンジンを冷却する方法には「空冷」と「水冷」の2種類の方法があります。

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空冷と水冷

エンジンの冷却方式は主に空冷水冷があります。
名前の通り、空冷は空気の力を使って自然にエンジンを冷やします。水冷はクーラント(冷却水)を使ってエンジンを冷やしています。
車はほぼ全ての車両が水冷。バイクや発電機、トラクターなどでは水冷と空冷の2種類が使われています。

性能面は水冷が優れている

車の冷却水リザーバータンク

空冷は走行中の風の影響を使った自然冷却に近い構造です。
水冷は冷却水を使うので空冷よりも冷却性能が高く、オーバーヒートを起こしにくいです。
冷却効率が良い分だけエンジンの性能を高めることができるためレスポンスが良いです。
ただし冷却装置を加える分だけ部品が増えて製造コストやメンテナンスコストがかかるデメリットがあります。

空冷エンジンの特徴

空冷エンジンは空気と風の力でエンジンを冷やすため、走行中に風の当たりやすい配置にしていたり、エンジンの外周面積を広くする工夫をして、冷却フィンを多数設置しているのが特徴です。
バイクのように走行中に直接風が当たるエンジンや、そもそも高熱になりにくい構造のエンジンで使われています。
車はバイクに比べてエンジンが大きいだけではなく、ボンネットの中にエンジンを隠している構造上の問題で空冷を使うことは難しいです。
空冷は水冷に比べて出力が低くてレスポンスの悪い欠点がありますが、軽量で製造コストが安いメリットがあります。
バイクの場合はエンジンの露出した構造になるため、デザイン性を求めて空冷を選ぶ人がいます。

バイクは空冷エンジンのファンが多い

バイクは原付バイクなど小排気量のバイクや、最高出力を重視しないマシンで空冷エンジンが使われています。
80年代以前の旧車と呼ばれる古い車種は空冷エンジンの比率が今よりも高かったです。
バイクは空冷エンジンにすることでエンジンの振動が大きくなって、スロットルを開けた時の反応が鈍くなります。
性能や効率を重視すると空冷エンジンはデメリットが多いですが、エンジンフィーリングがダイレクトに伝わってきます。

 

多くの人が憧れるハーレー・ダビッドソンは多くのマシンが空冷エンジンを採用しています。
ほかにもSR400ゼファーシリーズCB1100シリーズなど、空冷エンジンはスタイリングやフィーリングの良さに惚れ込んだコアなファンのいる車種が多いです。

YAHAMAのSR400

油冷エンジンとは

スズキは、かつて油冷エンジンを使ったバイクを製造していました。
通常よりも大型なオイルクーラーを採用したり、オイル量を増やすことで、オイルからエンジンを冷却する構造です。
ピストン裏にエンジンオイルを噴射して冷却する構造は、航空機やターボ付きエンジンのレーシングカーなどで、補助冷却として昔から広く使われていました。
スズキは補助ではなくオイルによる冷却を重視した独自のエンジンを作ってコアなファンを獲得してきました。

 

油冷は水冷と空冷の中間的な位置づけで、独立した冷却装置を持たないことから軽量・コンパクトなメリットがありました。
スズキが油冷から撤退したのは、水冷エンジンの性能が高まって水冷式冷却装置をコンパクト化できるように進化したことで、油冷のデメリットが薄れたからです。
油冷エンジンは適度なパワーと水冷にはないエンジンフィーリングを楽しめる特徴があります。
また大排気量の油冷エンジンに乗っているバイクオーナーは、「油冷エンジンは適当なカスタムをしても、手軽に出力向上を実感できる」といった意見が聞かれます。